今回は、トヨタ・ハイエースの福祉車両で発生した「電動ステップが出たり出なかったりする」という不具合の修理事例をご紹介します。日常的に車いすの方やご高齢の方の送迎に利用されているお車で、ステップの動作は安全性に直結します。「出ないことがある」となると、乗り降りに大きな不安が生じてしまいます。
不具合の症状
お客様からは「ステップが出なくなった」というご相談をいただき、急遽ご入庫いただきました。しかし、工場にご入庫の時点では、またステップは出すことも仕舞うこともできる状態に戻っていました。常に完全に壊れているわけではないため、一見すると大きな故障には見えません。しかし、送迎中にステップが出ないとご利用者の乗り降りに危険が伴い、また介助される方にも負担がかかります。福祉車両のこうした不具合は、早めに対応することが安心につながります。
点検と原因の特定
今までの経験より、モーターに異常があると考え、ステップモーターの動作確認から始めました。駆動音は聞こえるのにステップが出てこない場面があり、多少の振動を加えると動く状態です。
分解して内部を確認したところ、モーター内のギア部分が摩耗していることが判明。摩耗によって空回りし、力がステップに伝わらず動かない状態になっていたのです。

修理内容
原因が特定できたため、摩耗したギアを含むモーター部品を交換しました。交換後は動作確認を繰り返し行い、ステップが確実にスムーズに出入りすることを確認しました。
福祉車両の架装部品は使用頻度が高く、利用者の安全を守るためにも「不安定な状態のまま使い続けない」ことが大切です。今回の修理により、安心してご利用いただける状態になりました。
修理後の様子とお客様の声
修理完了後、お客様からは「これで送迎時にステップが出ない心配がなくなった」と安心のお声をいただきました。日々ご高齢の方を乗せているとのことで、「利用者の方にも安心して乗っていただける」と喜んでいただけました。

まとめ
福祉車両のステップやリフトといった架装部品は、消耗や摩耗によって不具合が起こりやすい部分です。たとえ「たまに動かない」という軽い不具合でも、実際の運行中には大きなトラブルにつながる可能性があります。
定期的な点検や早めの修理対応が、ご利用者の安全と快適な送迎を守る第一歩です。もしステップやリフトの動作に違和感を感じたら、ぜひお気軽に豊興自動車までご相談ください。




